What Did I Hear You Say? ― The Blow Monkeysの歌詞から英語を考える
ロックJump Highでございます!読んでいただきありがとうございます。
今回は洋楽、あるバンドの歌詞について、ちょっと考えてみたいと思います。
洋楽は若き日の私が、英語を好きになったきっかけでもあります。
The Blow Monkeysについて
皆さん、The Blow Monkeys(ブロウ・モンキーズ)という80年代のイギリスのバンドをご存じでしょうか。
1980年代に活動したイギリスのバンドで、中心人物はヴォーカルのDr. Robert(ドクター・ロバート)。ソウル、R&B、ファンク、ジャズなどの要素を取り入れた、洗練されたポップスが特徴です。(ChatGPTに聞いてみました)
日本でも当時、雑誌などでよく紹介されていましたので、私も一枚だけLPレコードを購入しました。
『Animal Magic』というアルバムです。
“Digging Your Scene”という曲が好きだったんですが、あんまりこのバンドを深く「掘って」いくことはしませんでした。
当時、UKのニューウェイヴにかぶれていた私は、ロックというと、内面の葛藤? なんかよくわからんが、Joy Division的な、孤独とか憂鬱とか、そういうものを抱えながら陰鬱でアートっぽい音を鳴らすバンドを好んでいたんですね。
ブロウ・モンキーズは自分には「お洒落なサウンド」に聴こえて、「好きなんだけどこっちへ行ったらだめだ」のように思っていた節がある。
アホですね、今考えると。
IT Doesn’t Have To Be This Way
で、最近YouTubeを観ていたら、ブロウ・モンキーズの “It Doesn't Have to Be This Way” がたまたま流れてきて、
やっぱりめちゃいいな、と。
この曲は1987年のアルバム『She Was Only a Grocer's Daughter』に収録されています。
このアルバム、タイトルからしてちょっと変わっています。
「She Was Only a Grocer's Daughter」「彼女はただの食料雑貨店の娘だった」
これは当時のイギリス首相、マーガレット・サッチャーを指していると言われてます。
サッチャーは食料雑貨店の娘として生まれ、保守党の政治家として首相にまで上りつめた人。
ブロウ・モンキーズは、そんなサッチャー政権に対してかなり批判的な立場を取っていたんですね。
つまり、このバンド、単に「80年代のお洒落なソウル風ポップス」をやっていたわけではない。
政治的なメッセージもかなり持っていた。あの、ポールウェラーともつるんでいた。
そしてこの曲。やっぱりまず曲がいい。
ストリングスやコーラスの入り方が絶妙で、
ヴォーカルのDr. Robertさんが、少し声をかすれさせて、ちょっとがなるように歌うサビのところがぐっと来る。抑えた色気のようなものと同時に、ロックの熱気も感じる。
当然、ソウルミュージックへの愛情も。
ただし、80年代特有の軽さが音作りにつきまとっている気はする。妙に空疎な感じも。当時はどんなふうに聴こえたんだろう?
What did I hear you say?
この曲で個人的に面白いと思うのが、“What did I hear you say?” という一節です。
これ、学校で習うときは、「知覚動詞」という英文法の話になります。
hear+人+動詞の原形 /「人が~するのを聞く」
hear+人+~ing /「人が~しているのを聞く」それはさておき
普通なら、ここは What did you say?――「なんて言ったの?」でもいいはずです。
ところが、あえて What did I hear you say? としている。
直訳すれば「私はあなたが何と言ったのを聞いたのですか?」日本語にすると少しまわりくどいですよね。
でも、だからこそ耳に残ります。
その直前では、飢えた子どもに希望はない、権力を持つ者たちがすべてを奪っていく、といった、かなり救いのない現実が語られています。
そこに、 “What did I hear you say?” と来る。
単純な「なんて言った?」という聞き返し以上に、「……今、なんて言ったのを俺は聞いたんだ?」みたいな自問自答する感じ。
そして、その直後に、“It doesn't have to be this way.”
――「こんなふうである必要はない」
こういうちょっとひねった表現の仕方がなんか好きです。
そして、連想したのが、私が特に気にいっているひねりのある言葉
わが日本ロックの名言
「俺はいいけど YAZAWA は何て言うかな?」
かっこいいです!
※この名言の意味については―まあ、ぐぐってください。笑
関西弁にもありました
さらに考えてみると、こういう「直接言わないことで、効果的になる」言い方は、関西弁にもある。
関西では主に男性が、「~したりいな」のように言ったりします。昔は。
誰かのエッセイで読んだ記憶が。
今でも言うのかな?
例えば「コーヒー淹れて」ではなく、「コーヒー淹れたりいな」と。
これ、命令していることには変わらないんですが、ちょっと違う。
「あんた、コーヒー淹れなさい」ではなく、「コーヒーでも淹れたりしたら?」みたいな。
自分のために「淹れてくれ」と直接言っているのではなく、あたかも「誰かのために、コーヒーを淹れてあげたりしたら?」と言っているような感じ。
こういう言い方が好きなんだな。
そんな感じで、好きな曲の背景や歌詞について、調べてみると意外な発見があるというお話でした。
…あ、もちろん「知覚動詞」のような英文法も、Jump High で学べます😊😊
ありがとうございました!